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2006年12月10日 (日)

孔子伝

Photo_3 漢学者である白川静氏が書いた「孔子伝」を読む。哲人孔子の実物大の姿を描いており、人間孔子の姿を見ることができた。儒から生まれた孔子の生き様がよくわかった。漢学者らしく、金文や甲骨文を解読し、文献から再現される当時の社会環境を背景として、孔子の出自と思想形成の過程を、推察しているのも興味深い。また論語の中のどの文章が生の孔子の発言であり、どの部分に後世の儒者による脚色が加わっているか、説得力のある解析が行われておもしろかった。

孔子はシャーマン(原儒)の出自であること。ほとんど政治的な活躍はできなかったこと。孔子の影(ダーク)ともいえるよく人相が似ていた陽虎というライバルがいたこと。放浪は、政治改革への参画をもくろみながら、好機を求めた孔子教団の長であったこと。など違った孔子像がそこにあり、画期的だ。孔子は理想を追ってそれを実現しようとするが、ことごとく失敗して挫折と放浪をを重ねる。孔子自身は、神秘主義者たることを欲しなかった人であった。そしてみずから光背を負うことを欲しなかった人であった。つねに弟子たちとともに行動し、弟子たちの目の前に自己の全てをさらけ出しながら、「これ丘なり」[論語・述而]というをはばからぬ人であったのだ。

第1章 東西南北の人(伝記について;聖人ののち ほか);第2章 儒の源流(伝統について;大儒と小儒 ほか);第3章 孔子の立場(体制について;群不逞の徒 ほか);第4章 儒教の批判者(批判について;ギルド的集団 ほか);第5章 『論語』について(文体論;儒家八流 ほか)

是非、ご一読を。

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