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2007年12月14日 (金)

二人のガスコン

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佐藤賢一「二人のガスコン 上中下」読み終える。ガスコンとは、フランス南西部・ピレネー山麓一帯のガスコーニュ地方出身者のことを言うらしい。ここに登場する二人のガスコンとは、一人はアレクサンドル・デュマの『三銃士』をはじめとする<ダルタニャン物語>の主人公であるシャルル・ダルタニャン。いま一人はエドモン・ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』の主人公として名を残すシラノ・ドゥ・ベルジュラックである。この冒険フィクション活劇は、「ダルタニャン物語」第一部『三銃士』と第二部『二十年後』のちょうど真ん中に辺りを時代背景にしている。そして、第三部『ブラジュロンヌ子爵』に登場するかの鉄仮面のエピソードも盛り込んだ長編物語だ。「三銃士」「シラノ・・」を読んでいないと少し面白みにかけるかもしれない。フランスでも最も文学的英雄として人気のある二人を登場させ展開してゆく活劇は痛快この上ない。この二人、確かに調べると同時代に存在していたらしいが、二つの物語をうまく絡めながら、二代作品のその後の二人の生き様、心の襞を描いている点がまた面白さを増している。

かの栄光の銃士隊が解散され数年後、ダルタニャンは大宰相リシュリュー枢機卿の後継者マザラン枢機卿の密偵として、鬱々とした日々を送っている。正義感に燃える若き銃士の姿はもうそこにはない。フランス中に馳せたその勇名も、今ではイタリア人宰相「マザラン犬」と嘲られるばかり。粛々と任務を果たしていくダルタニャン。しかし心はすっかり荒みきっていた。しかし戦場視察から舞い戻ったダルタニャンは、怪傑マザランから奇妙な指令を受ける。かつてダルタニャンら国王付き銃士隊とことあるごとに反目し合っていた宰相付き銃士隊を率い、数年前に前線で没していたフランソワ・ドゥ・カヴォワの遺児・マリーを監視せよ、というのだ。反骨の文人にして哲学者剣士シラノ・ドゥ・ベルジュラックを相棒に迎え、互いにお互いの今の姿を罵りあいながら謎の使命を遂行していくさなか、二人はフランスの王位継承をめぐる壮大な陰謀の事実に気づく。・・・・・・さあ結末はいかに。

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