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2011年8月27日 (土)

ミノタウロス

Photo前より、気になっていた吉川英治新人賞受賞作品 佐藤亜紀著「ミノタウロス」を書店でやっと見つけたので、早速読了。

book崩壊と死人の心を持たぬ半獣たちの、破壊的な衝動と暴力。
帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。成り上がり地主の小倅(こせがれ)、ヴァシリ・ペトローヴィチは、人を殺して故郷を蹴り出て、同じような流れ者たちと悪の限りを尽くしながら狂奔する。発表されるやいなや嵐のような賞賛を巻き起こしたピカレスクロマンの傑作。

驚きです。日本人しかも女性がこのような小説を描くことができるのが不思議です。
ミノタウロスとは、ギリシャ神話に登場する牛頭人身の怪物。そう人間ではないのです。男を嬲り殺し、女を陵辱し快楽の限りを貪る怪物。これがこの作品のモチーフです。人間をそのように変えるものは「戦争」。この当時のウクライナの政情は複雑怪奇です。8割がロシアに残りがオーストリアに占領されていた時期があり、第一次世界大戦、ロシア革命、内戦とを経験する。そんな時代に生きた主人公のすさまじい人間性の崩壊。赤軍(ソヴィエト政権の軍隊)と白軍(反革命勢力)、強盗と化した民衆が入り乱れて暴虐の限りを尽くす混沌とした世界に身を投じ破滅へ向かう。

是非ご一読を。

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