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2013年3月20日 (水)

出雲と大和~古代国家の原像をたずねて

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岩波新書「出雲と大和」村井康彦著を読む。

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大和の中心の三輪山になぜ出雲の神様が祭られているのか? それは出雲が大和に早くから進出し、邪馬台国を創ったのも出雲の人々だったからではないか? ゆかりの地を歩きながら、記紀・出雲風土記・魏志倭人伝等を読み解き、古代世界における出雲の存在と役割の実態にせまる。古代史理解に新たな観点を打ちだす一冊。

村井氏の疑問は、三つ。

(1)朝廷が崇めた大和の三輪山の神が、なぜ出雲の大国主神と同神である大物主神なのか?
(2)八世紀はじめ、出雲国造が朝廷で奏上した神賀詞(かむよごと)の中で貢置を申し出た「皇孫の命の近き守神」が、三輪山の大神(おおみわ)神社、葛城の高鴨神社など、いずれも出雲系の四神だったのはなぜか?
(3)『魏志倭人伝』で知られる倭の女王、邪馬台国の卑弥呼の名が、『古事記』にも『日本書紀』にもまったく出てこないのはなぜか?
 (1)と(2)は、大和朝廷ができる前にその土地を出雲系の人々が支配していた証ではないか。(3)は、卑弥呼が朝廷と無縁の存在であり、大王(=天皇家)の皇統譜に載せられるべき人物ではなかったから。したがって、邪馬台国は朝廷の前身ではなかったのではないか……こうしたデータを重ねあわせて導き出されたのが、「邪馬台国は出雲勢力の立てたクニ」という仮説だった。村井は多くの文献をたよりに各地で検証を進めるうちにこれを実説と確信、ここに大胆な持論をまとめあげている。
(2)の出雲国造のくだりは、極めておもしろい。
(3)の邪馬台国近畿説については、甚だ疑問であり、全く賛成できないが、非常に読みやすい本であった。

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