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書籍・雑誌

2014年4月26日 (土)

史記 武帝紀 七

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北方健三著「史記 武帝紀 七巻」読み終えました。最終巻です。

book

前漢の中国。老いを自覚する武帝・劉徹は、漠然とした不安を抱いていた。宮中に蔓延る巫蠱の噂。その嫌疑をかけられた皇太子は、謀反の末、自死を遂げる。国内の混乱をよそに、匈奴との最後の戦いが迫っていた。敗北を続ける将軍・李広利は、その命を賭け、敵将の首を執拗に狙う。一方、匈奴に降り右校王となった李陵は、故国への想いを断ち切るかのように最後の戦いに向かう。亡き父の遺志を継ぎ、『太史公書』を書き上げる司馬遷。そして極寒の地に生きる蘇武は、友と永遠の絆を紡ぐ――。北方版『史記 武帝紀』感涙の完結。

武帝はもちろん李陵や蘇武、桑弘羊、司馬遷のそれぞれの「生」の意味と「死」の受け入れ方が明確に描かれていきます。水滸伝に見られる壮絶な漢(おとこ)の生き様ではなく、淡々と自己の身に起きた運命を受け入れ、その中で「どう生き続けていくか」を淡々と考える姿もまた漢(おとこ)の在り様なんだと思わせてくれます。

「岳飛伝」早めの文庫本化を期待しております。

2014年4月19日 (土)

三都 三部作 塩野七生

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塩野七生の「緋色のヴェネツィア」「銀色のフィレンツェ」「黄金のローマ」という、イタリア三都を舞台にした三部作を読む。
イタリア三都の作品と言えば、塩野氏はすでに書いている。ヴェネツィアは「海の都の物語」、フィレンツェは「わが友マキアヴェッリ」、ローマは「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」の三作品だ。
今回の作品は、三都を巡り、架空の二人が主人公がいて、歴史の場面を通じて事件を通じての物語になっている。しかし、塩野氏のイタリア歴史小説の真の主人公は「都市」そのものという意味では変わらない。
時代は、ルネサンス最盛期を過ぎ、衰退期に入った三都市を描く。
「緋色のヴェネツィア」
book

16世紀前半、海の都ヴェネツィアはトルコ、スペイン、神聖ローマ帝国の3強大国に挾撃され国家存亡の危機に瀕していた。国難にあたる若きヴェネツィア貴族と謎のローマの遊女、貴婦人との秘めた愛を胸に野望を抱く元首の庶子…。権謀術数が渦巻く地中海世界を描いた、ルネサンス歴史絵巻第1部。

「銀色のフィレンツェ」
book

若きヴェネツィア貴族マルコ・ダンドロは花の都フィレンツェを訪れたが、かつての共和国は今や大国を後楯にする公爵の独裁下にあった。その専制君主をめぐるメディチ家の陰謀に巻き込まれるマルコと遊女オリンピア…。16世紀前半、翳りゆくルネサンス・イタリアを描く絢爛たる歴史絵巻第二部。

「黄金のローマ」
book

永遠の都ローマ。古代からの時間と空間が濃密に積み重なり、農穣な想像力の世界へと誘う。その一方で、覇を競う列国の陰謀が交錯する都市でもあった。ルネサンス最後の法王パウロ三世と教会軍総司令官の息子、孫の枢機卿、そして遊女オリンピアの秘密とは…華麗なルネサンス歴史絵巻第三部。

お勧めします。

2014年3月29日 (土)

時平の桜、菅公の梅

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奥山景布子著「時平の桜、菅公の梅」を読む。

book

――二花は、並ばぬ運命―― 孤高の秀才・菅原道真と、若き貴公子・藤原時平。 世代も身分も境遇も違う二人が互いに魅かれあい、 そして離れゆく……国の頂点を目指した男たちの熱き闘いを描く書き下ろし長篇。 “恵まれた境遇で育ち、なにほどの苦労もなく、 二十二歳という若さで参議に列している自分を、幼き頃から研鑽を積み、 他を圧倒する才を培い、四十八歳にして菅家 始まって以来の昇進を遂げた道真が今、どう見ているか。・・・身分も年齢も違う二人は互いに魅かれ合うも、残酷な因縁に辿り着く――国の頂を目指した男たちの熱き闘い!

本書は、時平を中心に道真の大宰府左遷を描く。そこには、悪役 時平の姿はなく、慎重さと知略で政を司りながらも民の幸福を願い、藤原という家の繁栄や願いに悩んでいる姿がある。こうした藤原北家側からの物語もあっていいのだと思う。

かなり面白く読みました。私の中では、今年度前半第1位です。

2014年3月14日 (金)

凍てつく世界Ⅰ~Ⅳ

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ケン・フォレット著「凍てつく世界Ⅰ~Ⅳ」を読み終える。100年三部作の第二弾です。第一弾「落日の巨人」から3年たってるでしょうか。時代は、第二次世界大戦へと移っていました。

book1933年、ナチスの暗い影がヨーロッパを急速に覆っていた。抵抗活動を続ける両親を持つドイツ人の少女カーラ。ファシズムと戦うべくスペイン内戦への参加を決意したイギリス人の大学生ロイド。ロシア人実業家の娘で新天地を求めてイギリスに渡ったデイジーと、従兄でソヴィエト情報部員のヴォロージャ。アメリカ上院議員の息子ながら政治家への道に複雑な思いを抱くウッディとチャック。動乱のなか、国も身分も異なる若者たちが新時代の幕開けを信じて苦難に立ち向かう!壮大なスケールで描く大河ロマン。 それぞれの家族がそれぞれの国で、厳しい時代を如何にして乗り越えてきたか、また環境が人を如何にして変えてゆくかを読んでいて素直に理解できる。普通の人々にとって忌まわしい時代、その中で人は何を信じ、何にすがって生きてきたかを臨場感たっぷりに教えてくれるバイブルであろう。とても面白かったです。

2014年2月23日 (日)

史記 武帝紀6

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北方謙三著「史記 武帝紀6」を読む。

book
前漢の中国。武帝・劉徹の下、匈奴との激しい戦いが繰り返され、無謀とも思える戦の末に力尽き降伏した李陵は、軍人として匈奴で生きることを誓う。一方、匈奴で囚われの身となり北の地に流された蘇武は、狼とともに極寒を生き抜き、自らの生きる理由を問うのだった。彼らの故国では、忍び寄る老いへの不安を募らせる劉徹の姿を、司馬遷が冷徹に記す。そして、匈奴の最精鋭兵を指揮する頭屠が漢軍を追い込むなか、李陵と蘇武は、宿星が導きし再会を果たす。北方版『史記』、佳境の第六巻。
いよいよラスト7巻を残すのみとなりました。6巻は、各人の生き方に対する違いを通して北方の人生観・人間観が描かれていて面白かった。

邪馬台

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北森鴻「邪馬台」を読む。

book

明治時代に忽然と消失した村が残した奇妙な文書は、邪馬台国の真相へと至る秘録だった!異端の民俗学者・蓮丈那智の手に渡った「阿久仁村遺聞」。仲間たちとそこに隠された深い謎を追ってゆくうちに、数々のキーワードが浮かんできた。銅鏡、鬼、殺戮、たたら製鉄、出雲大社…。ミステリがすべて解かれたとき、現代まで秘められていた真の日本史が、あなたの眼前に現れる。

いわゆるミステリーですが、題に惹かれて思わず購入。しかし、古代史、古事記などの知識がある程度無いと読んでいてもさっぱり分からないと思いますので、そのあたりが詳しくない人は読まないほうがいいです。著者の急逝によって本当に目指した結末は永遠に失われてしまったので、なんともいえませんが・・・・。位置の比定に拘らず、あくまで民俗学的にアプローチを行うのは面白かった。

2014年2月 9日 (日)

ガウディの鍵

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マルティン,エステバン、カランサ,アンドレウ 共著 「ガウディの鍵」を読む。

book
2006年、バルセロナ。美術史研究者のマリアは、老人介護施設にいる祖父から、自分はガウディの後継者で、1926年に事故死したとされているガウディは、“敵”に暗殺されたのだと打ち明けられる。師から託された“秘密”を受け継ぐよう命じ、鍵を渡す祖父。半信半疑ながら手がかりを探し始めるマリアに敵の影がしのびよる。実在するガウディ建築を舞台に、壮大なスケールで描かれるミステリ。
スペインの建築家・ガウディと“スペイン発「ダ・ヴィンチ・コード」”という帯に惹かれて購入してしまいました。ガウディ建築に隠された謎が現代の殺人事件につながる…巻末に物語に関係するガウディの建築物の紹介もあります。

武田家滅亡

Photo 既読 「北天蒼星」の流れで、同じく伊東潤著「武田家滅亡」を読む。

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信玄亡きあと屈指の大国を受け継いだ武田勝頼は、内憂外患を抱えていた。近隣諸国からの脅威に加え、財政逼迫や家臣との対立も勝頼の孤立を深めてゆく。こうした状況のもと、同盟国・北条家から嫁いだ桂姫は、勝頼の苦悩に触れて武田・北条両家の絆たらんとするが…。信玄をも上回る武人の才に恵まれながら悲劇の主人公となった勝頼の後半生を、歴史小説界に現れた破格の才能が活写する本格歴史長編。

人は城と言っていた信玄であるが、それはまた信玄あってのものだったのか。本書では、なるべくして滅亡していった状態が非常によくわかります。
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山梨新報 4月6日朝刊書評欄(単行本版) “健気に散った桂姫” 

伊東潤氏の小説「武田家滅亡」  「桂姫」、それは歴史小説「武田家滅亡」の主役である勝頼夫人・北条氏への、作者伊東潤氏のネーミングである。信玄の側室で勝代の母諏訪御料人に新田次郎が小説「武田信玄」の中で湖衣姫と名づけ、井上靖の小説「風林火山」では由布姫と呼ばれていると同じように(作者注 : 「桂姫」とは、戒名桂林院殿から取られています)。  小説は、天正五(1577)年1月、桂姫が、上杉謙信の養子となって越後へいった北条三郎(後の上杉景虎)への想いを断ち切って、甲斐の武田勝頼に輿入れするため、相模小田原を発った日から始まる。それは武田・北条同盟のあかしであった。  その2年前の「長篠の合戦」の大敗以来、暗い戦雲が覆う甲斐国で、勝頼とともに必死に運命を切り開こうと、姫は健気に生きる。だが、天正十年(1582)2月、織田・徳川氏ばかりか、姫の実家・北条氏まで轡(くつわ)を揃えて甲斐国に攻め込むに及んで、武田氏の滅亡は必至となった。  その時、姫は、武田八幡に「敬って申す祈願の事」で始まる長文の願文を捧げた。 しかし、運命は好転せず、新府城を落ちた勝頼と桂姫は天目山麓の田野の里で滅亡する。 よく知られた滅亡史だが、桂姫の存在によって哀切な読み物となり、文芸評論家縄田一男氏に「これほどの作家が今までどこに隠れていたのか」と言わせている。 

2014年2月 2日 (日)

北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録

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伊東潤著「北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録」を読む。

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関東の覇者・北条氏康の七男に生まれ、幼少期を箱根権現で過ごした三郎は、越相同盟の証として上杉謙信の養子となる。謙信から初名「景虎」を受け継ぎ、越後、相模・甲州の平和という理想を抱くが、覇権を争う三国間での同盟関係がめまぐるしく変転するにつれ、上杉景勝との家督相続争いにも巻き込まれてゆく。悪と欲に満ちた世に義の旗を立てるべく、己の理想を貫き、乱世を駆け抜けた若き武将の生涯を描く、本格歴史小説!

なんといっても、小田原の北条三郎が謙信の養子となる過程から、その死までを史実を基に展開させ、景勝と樋口与六(のちの直江兼続)が徹底的に悪者に描かれている点が興味深い。めったにない視点での上杉家督争いに夢中になりました。

完全な真実などは、当然なら解らない。しかしこうして多様な面で楽しめるのが歴史系の小説の醍醐味です。 *ただし、司馬や星や中村のように、嘘や作り話を実しやかに喧伝するのはよくない。

2014年1月25日 (土)

家康死す 上・下

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宮本昌孝著「家康死す 上・下」を読む。 book独力で三河一国を平定した家康が凶弾に倒れた。時に26歳。その死が伝われば、桶狭間で勝った織田信長、甲斐の武田信玄、衰えたとはいえ今川氏真らに挟まれた脆い均衡が揺らぎ三河存亡の危機を招く。家康の第一の側近、世良田次郎三郎は、広忠寺の住職に収まっていた家康の異母弟・恵最を急遽身代わりとして擁立した。 家康 影武者物はいくつかあります。ほぼ関が原や大坂の陣で身代わりが登場するのだが、本書はもっと若く、やっと人質から解放され、三河をなんとか平定した若き頃に遡り、影武者を立てたとことに惹かれ読み始めました。ネタばれになるので中身は書けませんが、作者の大胆な推理をもとに構築された世界にあっという間に引き込まれます。是非ご一読を!!

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